こんにちは、SREチームの小川です。
昨年末からスパイスカレー作りにハマってしまいました。
色々な種類のスパイスを試して、最適な分量を探して、それらが完全に混ざり合い美味しいカレーができた時の喜びは筆舌に尽くし難いものがあります。
弊社で行なっている読書会もチーム横断で様々なメンバーが意見を出し合い、建設的な議論を行い良い結果をもたらし続けているため、その経過を少しご紹介してみます!
はじめに
以前『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』の読書会を始めたエントリーを投稿しました。
毎週木曜日に1時間の時間を設けて実施し、先々週に読み終えることができました。
ハウテレビジョンの開発部では各チームともスクラムを導入していましたが、読み進める中で「できていること」や「できていないこと」を発見できました。
また各チームともに人数構成などが異なるため、本で紹介される用語・概念について、さまざまな角度から議論することができました。
振り返り
運営面
前回のエントリー時点では
- Y: やれていること、うまくいっていること
- W: わかったこと、できていないこと
- T: 次やること、やってみること
を Milanote で各員殴り書きして意見を共有しあう形式で運営していました。
ただ、 Milanote では殴り書きしたカードをバージョン管理することができなかったため、特に T
の Next Action の意見はバージョン管理して振り返りをしっかりと行うべく、 YouTrack で管理するようにしました。
YouTrack を利用することで、 Next Action の進捗の可視化ができ、読書会冒頭の10分で建設的に振り返りを行うことができるようになり、読書会で得た知識を実務にしっかりと反映する良いサイクルができました。
実務面
読書会の振り返りを建設的に行うことが可能となったことで、ハウテレビジョンの開発部でどのような変化が現れたかみていきます。
1. デイリースクラムがブラッシュアップされた
毎日の定例行事なため、やはりただの報告会となりがちであった DS を、明確な目的を持って行うような文化が醸成されました。
DS 直前に Slack のワークフロー機能を利用して、DS の目的をリマインドするチームが出てきました。
2. 好き嫌い表
普段、なんとなく同じチームで作業していると案外気にしないことかもしれないですが、チームメンバーの技術的な得手・不得手をあらためて共有する機会を設けたチームもありました。
15分自分で考えても答えが出ない場合は他者に頼りたい場合に、得手・不得手がはっきりしていないとコミュニケーションに困る機会があったため、チーム内で助け合う文化がより強まりました。
3. YouTrack を使いこなせ
読書会の副産物として、スクラムのメンバーが多く参加したことで、普段スクラムをする上で「YouTrack でこんなことできると良いよね」という意見が多く出ました。
つまり YouTrack を使いこなすことでスクラムがより良い形になるのではないかと、 YouTrack の機能を使い倒すことに繋がりました。
他にも、読書会を通してスクラムについて理解が深まったからこそ、スクラムを続けるべきか?といった意見もあり、今後も開発をより良くするために色々な変化が起こるのではないでしょうか!
読み終えてから
さて、このように読書会でチームを横断して、何かのテーマについて議論することで学びが多かったため、引き続き読書会は継続しようということになりました。
そして、読書会参加メンバー全員で、技術・非技術など分野を問わず読みたい本を募り、最終的に投票による民主的なプロセスを経て『チームトポロジー』を次の読書会のテーマとしました!
『チームトポロジー』となった決め手は
- 普段技術書ばかりなため非技術的テーマの書籍が新鮮で学びに溢れていること
- 馴染みのないテーマでも全員で議論できるため怖くないだろうという希望的観測
- 弊社の技術顧問の推している書籍であること
などでした。
普段なら手に取らないであろう書籍でも、複数人で読んで感想を共有して議論するという体験がよほど参加者に印象的だったようで、特段強い反対意見も出ずに満場一致で決まりました!
『チームトポロジー』 1章・2章を終えて
抽象度が高く読み応えがあり、また議論の余地が非常に多く、活発な意見交換を行うことができています。
日々業務をしているとなんとなく感じる、「今日やらないといけないこと多いな...」であったり、同じ日に複数プロダクトでの作業でコンテキストの切り替えに負担を感じた経験などは、感情論になりがちで言語化がおざなりになり課題の議論と本質的な解決策の模索が難しいところです。
しかし書籍を読むことで、これは「認知不可」と呼ばれるものであり、上述の課題を言語化して論理的に議論を行うことが可能となりそうなど、学ぶことが多そうです。
スクラムは開発を良くする手段ですが、チームトポロジーでは開発組織の課題は何か、への言及があり、課題がどのように生じるかについて学び、それに対応するためにスクラムのエッセンスを利用することができれば良いなと考えています。
さいごに
ちょっと難しい本に手を出してしまった感がありますが、参加者の中に不安を抱えたメンバーはおらず、むしろ他人と意見を共有しながらなら読み続けることができる!といったポジティブな雰囲気であるのは、読書会の醍醐味といったところでしょうか。
開発組織を改善し続けるために、『チームトポロジー』読破してみせます!
ハウテレビジョンの開発部では読書会などの不断の努力によって、チームのプロダクト生産性を日々高めております。 ぜひ一緒に取り組んでくれるエンジニアの方、募集しております!