ハウテレビジョンブログ

『外資就活ドットコム』『Liiga』『Mond』を開発している株式会社ハウテレビジョンのブログです。

プロダクトマネージャーが本気でプロダクトロードマップを作る意義とメリット

この記事は Howtelevision Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。21日目はgin+swaggoで効率アップでした。

qiita.com

22日目の本記事ではタイトルの通り、プロダクトロードマップの作成と意義についてお話できればと思っております。

はじめに

現在ハウテレビジョンで外資就活ドットコムというハイポテンシャルな学生向けの就活(キャリア)支援プロダクトのPdM(プロダクトマネージャー)とプロダクト本部のマネージャーをしております。

今期ハウテレビジョンでは各プロダクトにおいて、5カ年のプロダクトの中長期戦略にあたるプロダクトロードマップを各プロダクトのPdMがオーナーシップを持って作成しました。

非常に良い取り組みでしたので、プロダクトロードマップについて書いていければと思います。

なぜ作成しようと思ったか

今までは、Product Development, Marketing, Business Development それぞれが部門目標を持っており、経営とアラインされた統一的な事業目標が存在せず、ビジョンに対して組織が部門を超えて一体となって協力する体制を強化する必要がありました。

プロダクトロードマップを羅針盤として、各部署が協力し合いながらユーザーへの価値提供を行い、結果としての事業、プロダクトの成長を目指す体制を強化するために作成を行いました。

※各事業部が全く違う方向を向いていたわけではありません。各部署のリーダーやマネージャー陣で事業やプロダクトの中長期の方針や方向性の議論は適宜行っており、共通認識は一定取れている状態ではありました。

プロダクトロードマップの内容

会社によって定義が違うことを前提におき、ハウテレビジョンでのプロダクトロードマップについて説明します。

ハウテレビジョンでは各プロダクトで5カ年のプロダクトの方向性を検討し、そちらをロードマップに落とし込んでいます。

以下4つの項目を各年度で作成をしております。

  1. Why(なぜやるのか)
  2. What(何をやるのか)
  3. 状態(どういう状態を目指すのか)
  4. 重要アイテム

▼プロダクトロードマップのFMT

FY24 (-2024/1)  FY25 (2024/2-2025/1)  FY26(2025/2-2026/1)  ~FY28(2027/2-2028/1) 
What
Why
状態
重要アイテム

上記に加えて、プロダクトロードマップの内容を元に、プロダクトロードマップ上では記載しきれない、FY28で目指す状態やストーリーをエモい文章で取りまとめています。ざっくり以下のような内容です。

  • ユーザーにどうなってもらいたいのか、どういう状態を目指すのか
  • 市場や国家に対して我々はどういう変化や貢献を目指すのか
  • 更にその先FY28以降について

文字数を合計すると3,000文字ぐらいありました

※プロダクトへの思いが乗りすぎて筆が進んだ形ですね笑

▼プロダクトロードマップ ストーリー

※内容は伏せております

作成プロセス

合宿を実施

叩きを事前に準備して1日合宿を行い、各プロダクトについて議論・ブラッシュアップを行いました。

写真は個人ワークの時間。赤坂のレンタルスペースを利用しました。

昼ごはんは近くのなかごでラーメンを食べました。美味しかったです。

なかご (赤坂見附/ラーメン)

合宿後は定期的にMTGを行いブラッシュアップ

各プロダクトのプロダクトマネージャー、プロダクト本部長で週2回各プロダクト持ち回り制で議論する時間を設けました。合宿後の各プロダクトの残検討テーマなどを議論しブラッシュアップを重ねました。

事業部のマネジメントメンバーへの共有・議論

プロダクト本部である程度練った後は、マーケティング部や事業開発部と議論を行い、これから向かっていく方向性のすり合わせを行いました。

経営会議での経営陣からのレビュー

経営メンバーともプロダクトの中長期の方向性について、合意形成を行うために、経営会議に作成したプロダクトロードマップを持ち寄り、経営レビューを実施しました。

私の所感ですが、覚悟と思いを持って全力で作成したプロダクトロードマップに対して、それに応えるように、経営観点でより良くするためのハイボールを投げてもらったなと今振り返ると思います。

プロセスを見ると、丸一日で叩きを完成させたように見えますが、実際はそうではありません。

プロダクトロードマップという形式ではなかったのですが、プロダクトの中長期方針などは検討を重ねており、各プロダクトマネージャーのプロダクトの将来についての日々の思考が土台となっています。

作成にあたり重視したこと、注力したこと

Users First

当社のバリューの1つである「Users First」というものがあります。

ユーザーを深く理解し、彼ら彼女らが能力開花し、世界で活躍することができるためには、我々が今後何に注力をし、プロダクトを通してどういった価値提供をすべきかを重視し、検討を行いました。

プロダクト本部ではマーケティング部や事業開発部と連携し、定期的にユーザーやクライアントのヒアリングなどを行っております。

そうした日々の積み重ねによりユーザー解像度が高い状態を維持できているという点がベースにあります。

将来の変化を可能な限り予測する

私の担当プロダクトは就活生が利用ユーザーの多くを占めておりますので、例えば、むこう10年で予定されている中高大の教育方針やプロセスの変化や18歳人口の予測などのマクロデータなどは参考にしました。

また、政府の人材強化育成方針や海外の事例などを参考にしながら、中長期でどういう人材が世の中に求められるかを可能な限り予測を行いました。

事業観点でも考える

事業として成長することがプロダクトの持続可能な運営・更なる成長、ユーザーへの価値提供にも繋がります。KPIや売上の成長シナリオなども想定しながら作成を行いました。

※わざわざ書くほどのことでもないかもしれないですが、Users Firstを第一に置いて事業観点でも検討

また、プロダクトの機能開発だけですべての問題が解決ができるわけでは無く、実現にあたり様々な事業部やチームの協力や連携が必要不可欠ですので、各事業部やチームとの連携もイメージしながら作り込みました。

プロダクトロードマップを作成した効果

各事業部で統一の方針で来期以降の戦略を検討できるようになった

特に私が担当する外資就活ドットコムの事業ドメインである就活領域は今後数年で大きな変化が起こりうる領域であり、プロダクトとしても事業としても新しいチャレンジを行う必要がありました。当然プロダクトの力だけだとプロダクトロードマップで目指す状態を実現はできません。

各事業部のプロダクトロードマップが目指す方向性に沿った戦略の検討・及び連携が加速したのは非常に大きいと考えております。

日々の議論でプロダクトロードマップに当てはめて議論ができるようになった

戦略だけでなく、日々の検討においてプロダクトロードマップを軸として議論ができるようになりました。(例.マーケティングの施策や商品企画、編集部が作成する独自コンテンツの方向性など)

今後の展望

プロダクトロードマップや中長期の戦略は作成して終わりではありません。

外部環境の変化や現状を踏まえアップデートしていく必要があります。実現に向けた計画やアクションを行うことが重要です。

また、作成に関わったメンバーだけでなく、プロダクトに関わる全員がプロダクトロードマップを理解いただくためのアクションが必要です。

これらはまだまだやり切れていないので、プロダクトロードマップを羅針盤とした事業運営を行っていくために今後進めていければと思います。

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