この記事は HowTelevision Advent Calendar 2023 6日目の記事です。 昨日は前島さん (id:keiichiro_maejima) の「エンジニアへの理解溢れるカルチャーとは? - ハウテレビジョンブログ」でした。
こんにちは、ハウテレビジョンで外資就活ドットコムの開発をしている菅と申します。
外資就活ドットコムは昨年から大規模な技術負債解消プロジェクトを進めています。 外資就活ドットコムは10年以上続くプロダクトですが、主要技術スタックはほぼ変更なしで昨年まで開発を続けてきました。これらの負債を返済し、アプリケーションをモダンで堅牢に進化させるのがこのプロジェクトの目的です。
詳しい経緯などは昨年のアドベントカレンダーに書いてありますので、ぜひ御覧ください。
この記事ではフロントエンドエンジニアが初めてプロジェクトマネジメントを経験した中で、できたこととできなかったこと、学んだことを書いていきたいと思います。
チームと著者の役割
2023年2月頃に立ち上がった技術負債解消プロジェクトチームで、プロジェクトマネージャーにアサインされました。プロジェクトマネジメントはスクラムはメンバーとして経験がある程度でした。最初は3名だったチームメンバーも最近では9名まで拡大しました。 初めて臨むポジションだったため、先達に導いてもらう形でなんとかスプリントを回していき、改善点があれば都度スプリント終わりのMTGで改善をしていきました。
プロジェクトマネージャーとしてできたこと
完璧にできたとは言えませんが、プロジェクトを進める上で下記が良い方向に働いたと思います。チームの中では比較的古参ということもあり、プロダクトへの理解もあったことで、動きやすい場面がありました。
工数削減を目的とした仕様変更やデザイン変更の取りまとめ
仕様やデザインの変更を作業者とともに考案し、プロダクトマネージャーやデザイナーに提案・相談しました。
フロントエンドのテスト導入
メンバーから提案を頂き、テストを書く環境づくり・ルール作りをしました。
当たり前ですがロードマップに応じたタスクの整理
メンバーが着手するタスクに困らないように整理を行いました。
できなかったこと
見積もりの精度
スコープがプロダクトのフルリニューアルにあたるため、全ての項目に詳細な見積もりと設計の時間を使うことができませんでした。この影響で見積もりと実工数の乖離が大きくなる場面が多発しました。また、最新かつ網羅的な仕様書・設計書がないことで、既存コードを詳しく読み解く必要があり、くわえてプロダクトの成長のために継ぎ足しを繰り返した影響で可読性の低いソースコードが多く、実装にかかる際の詳細な仕様把握に時間のかかるコンテンツもありました。
これらの改善案として、既存仕様とコードを洗い出す工数を別途設けて、計画を調整しました。また、今後こういったことが無くなるように画面仕様書の作成を徹底しています。
メンバーの技術力に頼りすぎた
チームメンバーが多いことで同時進行でリプレイスを進めるコンテンツが複数あり、詳細の設計から担当者にお任せしまうことがありました。設計のうえでも、進捗管理のうえでももう少し時間を割くべきだったと思っています。
この改善として、チケットをできる限り細かく切り、作業の粒度が大きくならないようにすること、設計書を書いていただくことを徹底しています。
ロードマップ全体を俯瞰した計画
特に進捗報告や遅れを取り戻すための施策の考案などについて、プロジェクト自体が経験したことのない長期間であることと不慣れであることが重なり、上長に助けを求めてばかりでした。
この改善として、進捗率の計算を短時間でできるようにツール化するなどを行いました。また、現在はチームが二分割され、プロジェクトマネージャーが二人体制になったため負担がかなり軽減し、施策の考案などをしながら開発まで手が回るようになりました。
おわりに
まだプロジェクトは中盤にさしかかったところですが、先達とメンバーの力をお借りして完遂まで頑張っていきます。